マチュピチュは15世紀のインカの離宮で、2つの峰の間の鞍部に築かれています。標高は約2,430 m、三方を取り巻いて流れるウルバンバ川からは400 mほどの高さです。ユネスコ世界遺産(1983年、文化と自然の両方の価値で登録)であり、ペルーで最も多くの人が訪れる場所です。
歴史のあらまし
多くの考古学者は、この遺跡が1450年ごろ、インカ王国を帝国へと発展させた皇帝パチャクティの離宮として築かれたと考えています。ここに暮らしたのは多くても750人ほどで、貴族、宗教の専門家、そして彼らに仕える人々でした。使われたのは約1世紀にすぎず、スペインによる征服のころに放棄されました。スペイン人が発見した記録はなく、そのため見事な石組みが無傷のまま残りました。
地元の農民は遺跡の存在をずっと知っていました。クスコの人アグスティン・リサラガは、1902年に壁へ自分の名を残しています。遺跡が広く世界に知られたのは1911年、アメリカ人の大学講師ハイラム・ビンガムが地元の案内人に導かれてここを訪れ、その後に紹介したことによります。2007年には新・世界七不思議のひとつに選ばれました。
遺跡の見どころ
遺跡は、段々畑が並ぶ農業地区と、約200の建物からなる市街地区に分かれ、壁と空堀で隔てられています。見どころは、曲線を描く壁を持つ太陽の神殿、3つの窓の神殿、インティワタナの石、聖なる岩、コンドルの神殿などです。遺跡ガイドで順に紹介しており、どのサーキットでどこへ行けるかはチケットガイドで説明しています。
道中のスポット
マチュピチュ歴史保護区
マチュピチュ歴史保護区
マチュピチュ歴史保護区
マチュピチュ歴史保護区 太陽の門とインカの橋
インカの道をたどる2つの散策
インティプンク(太陽の門)は、インカ道から初めてマチュピチュを見下ろす場所。インカの橋は、崖沿いの道にある切れ目で、かつては取り外しのできる丸太で閉じられていました。どちらもサーキット1の追加ルートで、通常はハイシーズンに開きます。
標高と高度順応
マチュピチュそのものは、それほど標高が高くありません。問題は、ほぼ全員が到着するクスコで、標高は約3,400 mあります。海抜ゼロ付近から飛行機で入ると、1〜2日のあいだ、頭痛、息切れ、寝つきの悪さ、吐き気を感じる人が少なくありません。
- まず低い場所へ。聖なる谷(約2,800〜2,900 m)とアグアスカリエンテス(約2,040 m)はクスコより低地です。空港から谷へ直行し、マチュピチュを訪れ、最後にクスコで過ごすプランが人気です。
- 初日は無理をしない。ゆっくり歩き、食事は軽めに、水をたっぷり飲み、お酒は控えめに。
- コカ茶(マテ・デ・コカ)はどこでも出され、効果を感じる旅行者も多くいます。
- 薬。とくにトレッキングを予定している方や、心臓や肺に持病のある方は、出発前に高山病の薬について医師に相談してください。
- 危険な兆候を知っておく。良くなるどころか悪化していく症状(激しい頭痛、意識の混乱、安静時の息切れ)は、医療機関の受診と、標高を下げることが必要です。
聖なる谷
ピサックからオリャンタイタンボにかけてのウルバンバ渓谷は、インカの都の穀倉地帯でした。主な見どころは、丘の上の遺跡と市場で知られるピサック、モライの円形段々畑とマラスの塩田、織物の町チンチェーロ、そして巨大な神殿要塞のふもとに今も人が暮らすインカの町オリャンタイタンボです。オリャンタイタンボはマチュピチュ行き列車の主要駅でもあります。考古遺跡の多くは、マチュピチュのチケットとは別売りのクスコの周遊券Boleto Turísticoで入場できます。
アグアスカリエンテス
アグアスカリエンテスは、マチュピチュのためにある町です。線路と2本の川に沿って、ホテル、レストラン、民芸品の露店がひしめいています。町の名の由来となった温泉、小さな遺跡博物館、蝶の飼育施設があり、線路沿いを歩いてマンドール庭園と滝まで行く気持ちのよい散歩道もあります。すべてが列車で運ばれてくるため、物価はペルーの他の地域より高めです。
遺跡内のルール
詳しい一覧はチケットガイドにあります。要点は次のとおりです。ドローン、三脚、自撮り棒は不可。大きな荷物は不可。使い捨てのペットボトルは不可。食べ物は不可。杖は必要な方のみ(ゴムキャップ付き)。傘は不可。遺跡内にトイレはなく、再入場もできません。
お金と費用
- ペルーの通貨はソル(PEN)です。一部の観光サービスでは米ドルも使えますが、日常の支払いにはソルが便利です。
- ATMはクスコ、オリャンタイタンボ、アグアスカリエンテスにあります。アグアスカリエンテスのATMは現金切れになることがあるので、ある程度の現金を持って到着しましょう。
- ほとんどのホテルと大きめのレストランではカードが使えます。トイレ、小さな店、チップ用に小銭を用意しておきましょう。
- 大きな出費は列車と入場チケット、次いでバスです。早めに予約すると、安いクラスの列車を確保できます。
当日の持ち物
- パスポート原本と各種チケット(入場、列車、バス)。紙に印刷するか、オフラインで保存を。
- 季節を問わずレインジャケットかポンチョ、そして重ね着できる服。朝は涼しく、昼は暑くなります。
- 帽子、日焼け止め、虫よけ。刺す小さな虫がしつこく寄ってきます。
- 滑りにくい靴。石は濡れると滑ります。
- 詰め替え可能な水筒と小さなデイパック。
- ソルの現金。
健康と安全
この地域は旅行者にとっておおむね安全です。クスコのにぎやかな通りや市場では、スリへの一般的な注意が必要です。水はボトル入りか浄化したものを飲みましょう。山のルートでは、雨のときは切り立った区間でとくに慎重に。ストライキや土砂崩れで列車が止まることがあります(行き方を参照)。予備日を1日設け、交通の乱れを補償する旅行保険を検討してください。
モデルコース
2日間:要点を押さえる
- 1日目:クスコから車でオリャンタイタンボへ(時間があれば要塞を見学)、午後の列車でアグアスカリエンテスへ、早めに就寝。
- 2日目:早朝のバスで上り、ガイドとサーキット2を見学。町に戻って昼食をとり、午後の列車と送迎でクスコへ。
3日間:聖なる谷も一緒に
- 1日目:クスコ発の聖なる谷ツアー(ピサック、マラス、モライ)に参加し、オリャンタイタンボで解散。そのまま宿泊。
- 2日目:午前はオリャンタイタンボを散策、昼の列車でアグアスカリエンテスへ。午後は温泉かマンドールへ。
- 3日目:開門と同時にマチュピチュへ。その後、列車で戻りクスコへ。
5日間:ゆったり、山にも登る
- 1日目:クスコに到着したら、高度順応のためそのまま聖なる谷へ下る。
- 2日目:ピサック、マラス、モライ、チンチェーロ。
- 3日目:オリャンタイタンボを見学し、列車でアグアスカリエンテスへ。
- 4日目:2回入場。早い時間にワイナピチュかマチュピチュ山、その後にサーキット2。町にもう1泊するか、夕方の列車で出発。
- 5日目:クスコ。歴史地区、コリカンチャ、サクサイワマン。
手配をまかせたい方へ。おすすめツアーランキングには、これらのプランの1日版と2日版に相当するツアーがあります。
旅を組み合わせる
マチュピチュ行きの列車のほとんどはオリャンタイタンボを発着または経由するため、乗り換えだけで素通りするのはもったいない町です。要塞神殿や石畳のインカの町並み、列車の前夜に泊まる宿についてはオリャンタイタンボ旅行ガイド(英語)をご覧ください。
混雑のないインカ遺跡を訪ねたいなら、クスコの西、アプリマック渓谷の上にあるチョケキラオがおすすめです。徒歩で数日かけてしか行けない遺跡で、詳しくはチョケキラオのトレッキング・訪問ガイド(英語)で紹介しています。
クスコとアレキパを結んでペルー南部を周遊する旅行者も多くいます。アレキパからの日帰りツアーや、世界有数の深さを誇る渓谷でのトレッキング、コンドル観察の計画にはコルカ渓谷ガイドが役立ちます。

